Dec 24 2014

大学院を退学した

この記事は退学 Advent Calendar 2014の24日目の記事。
休学留年アドベントカレンダーにも入れてもいいんじゃないかなとも思う。

退学を2回と休学を2回しかしたことがないので、僕のようなまっすぐレールの上を歩いてきた人間が記事を書くなんておこがましいかと思ったが書くことにした。

大学院の修士課程を退学した。専攻は物理学だった。
退学したのは9月末なのでもう3ヶ月近くが経っている。退学届を出した時は思ったほど感慨は無かった。あまりにも心が動かなかったので当時はブログにも書こうとも思わなかった。

そもそもなぜ大学院に入ったのか

自分の行っていた学部では学部時代には研究らしい研究はしない。就職する人もほぼゼロ。研究を体験してみたいということもあり大学院に進学した。研究をしてみて面白ければ博士課程に、面白くなければ就職しようと考えていた。

休学まで

結果としてわかったのは、僕の物理に対する情熱は大学院に進学するにはあまりにも足りないということだった。異常に物理を愛している人達のなかで常に違和感を感じていた。学会やセミナーの後楽しそうに議論している人達を尻目にいつも早く帰りたいと思っていた。学部4年の頃から少しその傾向はあったが大学院に進んでよりはっきりとした。

「楽しんでる人達には勝てない」そう思った。
ある人にとっては努力と思えることでも、楽しんでる人にとってはまるで努力とは感じられない。

ではということでM1の夏あたりから金融関係のインターンにいくつか参加したり説明会に行ったりと意識の高い活動をした。採用する側もされる側もどこか演技めいていて気持ち悪さを感じたが自分も演じた。就職できればそれなりに安定した生活を送れそうだが、楽しそうには思えなかった。働いている人達もあまり楽しんでいるようには見えなかった。このまま就職すると結局大学院と同じ苦しみに陥りそうに思えた。

「終身雇用は期待できず、人材の流動性が大きくなった時、誰でもできることをしていると生きていけないのではないか。代替不可能になるには努力を努力と思わないような、楽しめるものを見つける必要があるのでは」というような意識の高さをこじらせた理論武装で休学を決めた。世に言う自分探しのための休学である。物理、研究と距離を置きたいという気持ちもかなり大きかったと思う。

休学して色々やってみてダメなら少しのハンデを背負って新卒就職活動に参加しようと考えていた。

休学中に何をしていたか

自分探しの学生らしく海外でも行くかと考えた。
海外で就労体験をするには、なんらかの技能が必要だぞ。プログラミングでもやってみるか。という安易過ぎる考えでプログラミングを学び始めた。数値計算で少し使っていたのでCとFortranを少しだけ超絶糞コードを書くことはできた。昔にiアプリを作ってみたいと思って何一つわからず挫折したことはあった。インターネットに入り浸っていたのでインターネットに関わることをしたいという気持ちもあったかもしれない。

学び始めて少しして高校時代からの友人と飲みに行った際に「最近プログラミングやってる、ウェブサービス作ってみようかと思う」というような話をしたところ、友人もウェブサービスが好きで色々研究していたと言う。じゃあ一緒に作ってみるかということで、作っているうちにのめり込んで結局2年休学した。短い期間で技術を習得できるはずもなく結局ずっと日本にいる。

作ってきたサービスやらに関してはここに書いてあるので興味があったらどうぞ。
正直これを自分が作ったんだぞと胸を張って言えるものは作れていなくて見られるのはかなり恥ずかしい。

復学そして退学

2年休学した結果記憶力が悪いので自分は全く研究ができないということを忘れかけていた。結局研究の何たるかを全く学んでいないぞと思ってしまったり「卒業することだけを目標にするならばそれほど難易度は高くなく、それによって得られる修士卒という資格はそれなりに価値がある」という周りの人々のアドバイスに中てられたりして少し迷ったが、結局辞めようと決めて先生のところに話しに行ったところ先生は「そう言わずにやりましょう」と粘り強く仰ってくれて感動してうっかり復学してしまった。

離れている間に学んだことを研究室に還元するかと思い「論文や数値計算プログラムのgitによるバージョン管理のすゝめ」的な話をしたりして過ごしていたがやはり研究には全く興味を持てなかった。研究のために時間を割こうと思ってもまるで体が動かず、僕自身は修士卒の資格自体にそれほど価値があるとも思えなかったので結局辞めることにした。
先生や研究室の方々には申し訳ないことをしたなと思う。

なぜ辞めたのか

  • 研究テーマが向いてなかった
  • 研究という行為が向いていなかった(そうでないと嬉しい)
  • 研究に使う手法(物理)に興味がなかった
  • 自分の無力さ、現実に向き合えず虎になっていた

理由はどれか一つに決まるわけではなくて複合的なものなのだろうけれども自分でもよくわからない。

今思うこと

大学院は情熱もないのに安易に進むべきところでは無い。

他人との比較をすることに心を囚われすぎていた傾向があったなとは思う。どの分野に行こうとも大抵幼い頃からその分野に人生を捧げている人はいて、比較ばかりしていては何をしていても幸せになれない。これは今もあると思うので少しずつ修正していきたい。

それをやると決めて主体的に取組めば、もしかしたら大抵のことは面白いのかもしれない。

プログラミングは楽しい。
アイデアを形にできる。少ない人数で作ったものでも、こんなに多くの人に影響を与えられるものなんてそうそう無い。
時々来る、色々な知識がつながって視界がひらける瞬間が最高。
滅多にないが自分でも良くかけたなというコードが書けた時は気持ちがいい。
もちろん苦しい時もあるが。

本当に無力で、学べば学ぶほど、学びたいことが現れてくる。今は差別化要因が友人のアイデアになっているが、技術を差別化要因とできるようなものを作れるよう技術力を高めたい。そのためにもコンピュータサイエンスの基礎や、低レイヤのことも学びたいし、その必要があるなと感じている。

僕は大学院を辞てめ、結果として少し(かなり?)社会的弱者になった。
これからのことを考えると恐怖心に押しつぶされそうになる時もある。食っていけなくなって野垂れ死ぬこともあるかもしれない。

しかし決断の良し悪しは後からしか評価できないし、これから何をするかによって決まる。
あれは最良の決断だったと言えるように生きていきたい。